「Paraboot(パラブーツ)」の「MICHAEL(ミカエル)」
世の中には定番と呼ばれるブランド、そして定番と言われるモデルが数多く存在します。
その中で、パラブーツのミカエルも定番ブランド、定番モデルを代表するひとつだと思います。
今回は、そんなパラブーツのミカエルのご紹介です。
パラブーツは1908年にフランスのイゾーという町で設立したシューズブランドです。
高級ドレスシューズというよりは、ワークブーツや登山靴のディテールや製法を取り入れ、
高級感と堅牢性をあわせもつブランドと言えるでしょう。
そして何よりも100%メイドインフランスを貫いているという希少で独特な存在です。
1960年代には登山用の靴を中心に展開。
その後、登山靴で培った技術力を活かして「シャンボード」や「ミカエル」といった名作を誕生させました。
今回の主役、定番モデルの「ミカエル」は1945年に誕生しました。
Paraboot MICHAEL/MARCHE Ⅱ NOIRE-LIS NOIR 715604 ¥79,200
「ミカエル」というモデル名は、創業者の孫(現会長)のミッシェル氏の誕生を祝い、
その名を冠したモデルとして作られたことに由来します。
ミカエルはミッシェルのラテン語読みです。
ミカエルの原型でもあるチロリアンシューズは、山岳地域で使われていたため
ゴツいものが主流でしたが、そういった部分を削ぎ落としてシンプルにデザインした事により
日常の洋服にも合わせやすくなり、またたく間に世界中へ浸透していきました。
ミカエルをはじめとするパラブーツの靴の特徴のひとつとも言えるのが、ノルヴェ-ジャン製法です。
名前のとおりノルウェーが発祥と言われるこの手法は、半世紀ほど前までは登山靴などの
アウトドア靴で採用される代表的な製法でした。
ウェルトを介して縫合し、ミッドソールとアウトソールの間に緩衝材としてコルクを詰めるというのは、
ドレスシューズによく使われるグッドイヤーウェルテッド製法に近いものがあります。
違いはウェルトを内側に入れずに外側に出しているということ。
L字型に折れたウェルトがアッパーとソールの境目にぴったりと埋まっていて、
ウェルトが水の侵入を防ぐ役目を果たしていいます。
高度な技術が必要で、ミカエルを一足作り上げるのに工程だけで2日かかり、
800以上の縫い目が縫われているとも言われています。
パラブーツのもう一つの特徴は「リスレザー」です。
リスレザーとは、フランス語でスムースレザー、すなわち表革のことです。
パラブーツのリスレザーとは、正式名称「LIS WAXI LETHER(リスワクシーレザー)」です。
この革は非常に多くのオイルを含ませたカーフで、一般的な皮革よりも撥水性に優れています。
また劣化しにくいというメリットもあります。
しかも長年履き続けるほどに、独特の風合いが出てきます。
最後にパラブーツの最大の特徴が、自社生産のラバーソールです。
このラバーソールで特にこだわっているのが、天然素材であることです。
パラゴムの木から採取される天然ゴム。
アマゾン河口のパラ港から積み出されたところからこう呼ばれます。
まさにパラブーツの名前の由来でもあるのです。
そしてパラブーツは世界で唯一ラバーソールの自社生産ができる靴ブランドです。
誕生から70年以上にわたり支持されてきたロングセラーモデル。
定番たる所以を、ぜひお試しください。